レンガのオーブン(brick oven)
今回はレンガのオーブンをご紹介します。かあさんは暖炉で料理していたけれど、料理用ストーブのオーブンがあったので、レンガのオーブンは使わなかったようです。レンガのオーブンは料理用ストーブより古い時代のものなので、かあさんの母さんだったら使っていたかもしれません。
レンガのオーブンは、たいてい暖炉の横に作り付けになっていて、オーブンの中で火をたいて温めます。私が使っているのは、奥行きが1メートルくらいある大きなものなので、温めるのに約二時間。夏なら一時間半、冬なら二時間半くらい。その日の気温に左右されます。温まったら、おきをかき出して中を空っぽにしてから、温度をチェック。温度チェックは薪の料理用ストーブと同じく手でチェックします。そうしてちょうど良い温度になったら、種を入れます。つまり、温められたレンガの熱によって焼くわけです。焼く時、すでに火は消されています。ということは、このオーブンの温度は下がるだけで、上げることが出来ない、温度調節が出来ないという、最大の欠陥があります。だから、パンとクッキーのように、焼く温度の異なるものを焼くときは、まず高温で焼くパンを焼いてから、次にクッキーを焼きます。





オーブンがあたたまったかどうかは、オーブンの天井のレンガの色でわかります。最初は赤茶だったのが、温まると白くなって、粉をふいたようになります。私が使っているオーブンは奥行きがあるので、最初は入り口付近に火をたき、天井の色が変わったら、火を移動させて真ん中を温め、最後にいちばん奥を温めます。
温度チェックするとき、腕を精一杯のばして計ります。奥の方が温度が高く、入り口付近は低いので、一緒に種を入れても焼き時間を調整します。
おきをかき出すときに使う棒は、鋳鉄なのでものすごく重い。「えんやこーら」という感じでかき出しています。オーブンのフタも重いです。片手で持ち上げて、「ギクッ」とやったことがあります。開拓時代の台所で働くと筋力つきます。ジムに行かなくてもいいです。オーブンのフタは木製で、内側はブリキでおおってあります。
レンガのオーブンだと料理用ストーブ以上に、爪がまっ黒になって、まるで黒いマニキュアでもしたようになります。十九世紀の台所で働くと手があれます。ローラのかあさんの写真を見たとき、手が男みたいにゴツゴツなのでびっくりしたけど、納得です。
オーブンの床って平らにみえるけど、ある部分だけへこんでいたりします。そうすると焼き加減に影響します。どのオーブンにもくせがあるので、くせを知っていると、うまく焼けます。
レンガのオーブンは毎日使っていると薪がよく燃えて、充分温まります。たまに使うレンガのオーブンは、うまく燃えないので、つきっきりで火の番をしなげればなりません。
何年か前の冬、マイナス三十五度になったとき、水道管が破裂して水が出なかったので、その日はパンを焼きませんでした。翌日、オーブンを温めようとしても、冷え切ってしまい、四時間、火をたいても温まりませんでした。
















