トイレの話(outhouse)
「小さな家」シリーズにはトイレの話が出てこないけれども、とうさんもローラも、上品なかあさんもレディのメアリーも、皆、行くときは行ったのです! ただし、家の中にトイレがなかったので、屋外のトイレへ。今ではトイレはほとんど家の中にありますが、シニアの方々からは、子どものころ、トイレは外なんていう家は珍しくなかったんだよと、よくうかがいます。屋外便所には二種類あって、一つは地面に穴を掘り、その上に建物をたてるというもので、穴がいっぱいになったら他の場所へ移動させました。もう一つは桶を使い、いっぱいになったら捨てるというもの。こちらは移動させる必要がないので、町中など土地が限られた所で使われました。たいてい、どちらも裏庭にあって、井戸から離れた場所に建てられました。屋外便所というと、響きからしていかにも臭いそうですが、夏なんてたまらなかったらしいですヨ・・・。



感想
夜中や嵐のときには、外に行くのがたいへんなので、おまるも使われました。詳しくはまたの機会に。
上の写真をみて、どうして便器が二つ並んでいるのか不思議に思った人もいるはず。答えは簡単。二人並んで用を足したからです。今ではプライベートな空間ですが、昔の人は大らかというか、気にしなかったみたいです。大勢の雇い人を使う大きな農家では、一つのトイレに便器が五つも六つも並んでいることも珍しくありませんでした。どこかの学校のトイレをのぞいたときも、二つならんでいました。ローラもメアリーとトイレで秘密会談をしたのかもしれませんね。
雪の深い地方では、トイレのドアが開かなくなってしまうので、二階建ての屋外トイレを建てて、母屋の二階とつないだ人もいたそうです。
とうさんとかあさんの最後の家となった、デ・スメットの三番通りの家では、トイレと母屋の間に綱をわたしていて、盲目のメアリーは、その綱をたよりにトイレに行っていました。
十九世紀のある本は「薪置き場は屋外トイレのそばに建てるといい」とアドバイスしています。女性は一日に何度もトイレに行くので、そのついでに薪も持ってくると便利だから、だそうです。
「小さな家」シリーズの時代(1870-80前半)、トイレットぺーバーはあったのか? はい、ありました。1857年にニュージャージーで発明されました。でも、インガルスが使っていたとは思えません。当時、よく使われたのがいらなくなった通信販売のカタログ。紙はちょうどいい硬さで重宝したそうです。ローラも通信販売でお皿をかっているので、きっと使っていたはずです。それからトウモロコシの芯も使ったりしたそうな。痛そう・・・。
暗くなってから屋外トイレに行くときは先客もいました。そのお客さまとは、ヘビ、クモ、ネズミといった方々です。だから腰かける前に、誰もいないことを確かめなければなりません。さもないと、お尻をガブリなんてことにも・・・。だから用を足したあと、必ずふたをしました。
薪を燃やしたあとに残る灰は、トイレの臭い消しにも使われました。トイレの中に用意しておいて、用を足したら、かけたそうです。
ある子どもたちはその臭いを逆手にとって、教会のお説教を短縮させるのに使いました。夏には教会の窓が開けっ放しになっているので、お説教が始まる前にトイレにいって中をかき混ぜたそうです。そうすると臭いがひどくなるので、牧師さんは、きりのいいところで、「今日はこのへんにしておきましょう」となるわけです。
2008.04.30 | Comments(0) | Trackback(0) | 住まい



























