ロープ式ベッド(rope supported bed)
カンザスの丸太小屋で、とうさんとかあさんは、ロープ式のベッドに寝ていました。とうさんは四枚の板を使ってベッドの枠組みを作ると、
「その枠の底に、一方のがわから反対側へ、ジグザグにロープを張り、それをきつくしめました・・・それは、とても素敵なベッドでした。ジグザグに張ったロープの上は、床に寝るのと違ってとても寝心地がいいのです。わらぶとんは、いいにおいのしている草がいっぱいにつまっているし、キルトは、しわひとつなく広げられてあり、きれいな枕おおいは、ピンと糊がきていました」 「大草原の小さな家」
昔はスプリングの代わりにロープを使っていたので、少しずつたるんできて、真ん中が沈んでしまいました。そうすると寝にくいため、締め直さなくてはなりません。英語にスリープ・タイト(sleep tight) という表現があります。「ぐっすりおやすみ」という意味ですが、このtightは「しめる」という意味もあって、ロープをしっかりしめるとぐっすり眠れるというわけで、開拓時代の暮らしに由来する表現です。でも、ロープをしめたからといって、ぐっすり眠れたわけでもなさそうですよ。この表現には「虫にくわれないようにね」(Don't let bedbugs bite)という続きがあるからです!
本には書いてありませんが、ローラたちもそうとう痛い目にあったんじゃないかなあと思います。南京虫やダニに食われたりしたら、眠るどころじゃありませんよね〜。ひどくなると、かゆいのをとおり越して炎症をおこしたりします。しかも彼らはなかなかしぶとい! 今は掃除機で吸い取ったり、殺虫剤をつかったりするけれど、ローラたちはどうしていたのでしょうか? かゆみ止めは何をつかっていたのでしょう?




感想
とうさんはロープをジグザグに張っていましたが、この枠台にはロープをひっかける突起がついているので、格子に張っていました。
中には、ネジのように回転できる突起もあって、ロープがたるんだら、突起専用のねじ回しで締め直すことができました。
でも、とうさんの作った枠台には回転する突起がなかったようなので、ロープがたるんだら、マットレスをのけて、ローラかメアリーがロープの上を歩いて、たるみが均一になるようにしたと思います。
「アンクルトムの小屋」でお馴染みのストウ夫人が、1869年に姉のキャサリンと共同執筆した本には、虫よけのヒントが載っています。それによると、「ベッド枠台の割れ目などの隙間をふさぎ、古いものだったら塗料をぬるようにする、塩化水銀とアルコールを混ぜたものは、抜群の殺虫剤」だそうです。塩化水銀は、しょうこう水と呼ばれるもので、消毒や防腐剤に使用される、きわめて有毒な物質です。まあ、そんなものかけられたりしたら、いくらしぶとい南京虫でも、ひとたまりもないでしょうね。でも、そんな有毒物質を家の中で使って大丈夫だったのかしら?
今のアメリカにはフトン・ベッドという、スプリングのないベッドがあります。ベッドの枠台に、体操で使うような分厚いマットレスのようなフトン(日本の布団とは違う)をしいたものです。これを初めてみたとき、日本の布団を知っている私は、どうしてわざわざ枠台をつけるのかなと思いました。でも、プラムクリークへ引っ越したとき、かあさんも「家の中で地面には寝たくないから、早くベッドを作って下さい」と言ってましたから、床に直接寝るのは、彼らには抵抗があるのかもしれません。知人のアメリカ人は、マットレスを直接床にしいて寝ていたら、母親から「何かあったの? どうかしたの?」と心配されたそうです。
2008.03.12 | Comments(0) | Trackback(0) | 住まい