ドライ・シンク(dry sink)
「小さな家」には、ローラたちがお皿を洗うくだりはいくつもあるのに流しにはほとんど触れていない。でも、おそらくドライ・シンクを使っていたと思う。
ドライ・シンクは箱形の台に脚や棚のついたもので、桶を置き、その中で洗いものをする。でも、水道もないし水も流さないので、「乾いた流し」という意味のドライ・シンクと呼ばれている。洗い桶を乗せる台といった方が近いかも。洗いものをするときは、まず第一に節水。水が足りなくなったらどうしよう・・・と洗いものをする度にいつも思ってしまう。ここだけの話ですけど、私の働いている建物の裏庭には秘密の水道があるから足りなくなったら汲めばいいんだけど、汲むのがめんどう、重たい、ドレスを着ているから歩きにくい、水がはねる、寒い・・・というのが本当のところです。でも、水不足の心配もあっただろうけど、かあさんだってローラだって、似たような理由で節水することもあったんじゃないのかなあ・・・・?






水は井戸や泉から汲んできて水桶に貯めておいた。私はそれほどたくさん料理をしないので、汚水はすぐに捨ててしまうけれど、たいてい別の桶にひとまず入れておいて、いっぱいになったら外へ運び出していた。もう少し進んだ流しになると、排水管がついていて、汚水が流しの下の桶に流れ込んだり、さらに進んだものになると壁を抜けて裏庭に流れるようになっていた。裏庭に水たまりができると、アヒルやニワトリが大はしゃぎ。何しろ、大好きな水浴びができのだから。
ここに紹介した洗い方は私のやり方で、当時の洗い方ではありません。
皿洗い機が発明されて何年もたつのに、お手伝いといえば皿洗いという現実は、昔も今もかわらないらしい。「小さな家」を読むと、ローラたちも幼いころからバッチリしこまれていたようだ。
お皿を洗うといっても洗剤でジャブジャブ洗うのではなく、たいていはお湯でつけ洗いするだけ。お皿を洗ったあとには食べかすをたっぷり含んだ湯が残る。この湯はブタや牛にふるまわれた。つまり家畜用のユンケルというわけ。
洗剤には砂や灰汁、自家製の石鹸を使った。この石鹸は今のように泡立だったりしないけど、脂汚れのようなしつこい汚れには威力を発揮したそうだ。
いつの時代も主婦の評価は台所で決まるようで「毎日流しを洗い、定期的に灰汁で掃除すること。ふきんは食器用、脂汚れの食器用、脂汚れの鍋用を用意して、毎週洗濯する」とビクトリア時代のよい主婦になれるんだそうだ。